映画『ストロベリーナイト』を観ました
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映画『ストロベリーナイト』を観ました [DVD・ビデオ]


映画『ストロベリーナイト』を観ました。

[内容解説]
直感と行動力を武器に、数々の難事件の真相に迫り、
ノンキャリアで成り上がった警視庁捜査一課・姫川玲子。
その姫川玲子率いる姫川班の管轄で発生した殺人事件。左目が縦に切り裂かれる4つの死体。
手口も一致していることから、警察は連続殺人事件とみて、合同特別捜査本部を設置。
そんなおり、玲子は「犯人は柳井健斗」という不審な電話を受ける玲子。
しかし「柳井健斗の捜査はするな」という上層部からの指示が下る。
納得のいかない玲子は、部下の菊田に姫川班を託し、単独捜査を始める。
たどり着いた「柳井健斗」のアパートで、マキタという男と出会うが……。
幾重にも隠蔽され、複雑に絡まった事件。
やがてそれは、警察の威信を揺るがし、玲子自身をも狂わせていく…。
意外な方向へと進む捜査。
そして辿り着く真実に玲子が下した決断とは。
姫川班、最後の試練がいま、幕を開ける!



●感想

『ストロベリーナイト』 シリーズ、待望の映画化作品。
スピンオフを除き、シリーズ最後の作品ということになる。(少なくとも現時点では)

キャッチコピー 「降り注ぐ苦しみは 愛か狂気か――」 「姫川班 最後の事件」。
キーワードは 「雨」 と 「喪失」。 ・・まさしく、そうした内容。
(明かせる程度の粗筋は商品説明にあるので省く)

「最後の事件」 にふさわしく、見応えがあり、人間ドラマとしても質の高い作品。
真犯人は誰なのか・事件の背後関係には何があるのか… と、
冒頭15分で作品世界に引き込まれ、ラストまで一気に見入ってしまった。
そしてこのシリーズらしく、観賞後にはいいしれぬ感動と哀切と虚しさが残る。
と同時に、一種の清清しさのような後味も感じられる。
その哀しみと虚しさと清清しさとが混然として感慨深く、心地よい余韻となって心に残る。
それが味わいたくて何度でも観たくなる。 
見えない雨が、やまない雨が、主要登場人物たちの心の中に降り続ける…。

この映画は一連のTVシリーズ未見の方でも付いていけるし、楽しめる内容に仕上がっていると思う。
でももちろん、TVシリーズを観ておいて、人間関係・背景・設定・各キャラクターの
特徴と魅力を把握しておいた方がより一層、この映画の世界観に入り込むことが出来るだろう。
 (ただし、シリアスでダークで明確な救いはないのがこのシリーズの特徴でこの作品にも如実なので、
この世界観自体が合わない人には重苦しい話かもしれない。)

この作品の最大の魅力の一つは、登場人物たち全員の人間性に
あるのではないかと個人的には思っている。
主役級の姫川(竹内結子)や菊田(西島秀俊)をはじめとする
姫川班5名はもちろんのこと、サブのレギュラーキャラたちも
全員がいわゆるキャラ立ちし、姫川のライバルだったり
嫌がらせをしたりする立場の者であっても、最終的にはみな人間味があっ
て魅力を感じざるを得ない人物ばかり。芸達者な役者さんも揃っている。

この映画では何名か新たな重要人物が登場するのだが、
中でも最重要で特筆すべきは、大沢たかおが演じるヤクザの牧田。
劇中年齢43歳(大沢の実年齢当時44歳)の男性の色気が漂いまくり。
西島秀俊が「牧田カッコいいです。牧田やりたいです。大沢さんカッコよかったです。」と
インタビューで繰り返していたが、その言葉になるほど納得の、
艶っぽい役どころと見事な演技・存在感だった。
竹内結子も良かった。忘れることの出来ない重い過去と
傷と共に男社会で気丈に生きる、あらゆる意味で強い女性、姫川。
でも、弱くもある。この映画では恋愛に落ちる女性としての姫川が描かれていて新鮮だった。
また、刑事としての覚悟を決めるカッコいい姫川も描かれていて、
部下ならずともほれ込んでしまいそうだ。
自分は菊田ファンなのでこの映画内での菊田を見るのは切ないものもあったのだが、
そう感じさせてくれるところがまたこの作品の良さだとも思う。
 「菊田はドMなんですか?」と西島秀俊がある雑誌で
女性インタビュアーに質問されていて笑ってしまったが、
確かにそうとしか思えないシーンがある。
「なんでそこで密かに見ているの…。立ち去るところじゃないの?」と
突っ込みたくなるような。ちなみに西島の返答は(狼狽しながら)、
「言われてみればまぁそうですよね。相手を想ったら帰るべきだろうっていう(笑)。
女性からみたら、菊田空気読めてねーなって思われるのかと不安になります」。
・・いえいえ、突っ込みたくはなっても、そんな不器用な菊田だから好きなんです。
そして、菊田は菊田らしく、牧田とは違う意味でしっかりと男らしくて
頼もしい姿を見せてくれていた。
これまたアラフォー男性の色気と魅力全開の役どころであり、役者さん。

1シーンを除き、全編が雨降りのこの作品。
人工的に降らせたり雨待ち・曇り待ちをしたりと、
スタッフさんにもキャスト陣にもたいへんな苦労があったようだ。
その甲斐あって、シリアスで深い物語の世界観によくマッチした画になっている。
各キャラが持つ傘にも、その人物の個性を考えて選んだ拘りがあるそうなので注目して欲しい。

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